そろそろ不妊治療を始めようかと思っている方、不妊クリニックへかかった場合、どのような流れで検査、治療がすすむのか。私の体験をもとに解説します。不妊治療についての知識が何もなくても、これを読んでいただくと、不妊治療についてや不妊クリニックへ行った際のおおまかな流れが分かります。
※下記内容はあくまでも私個人の体験談となりますので、医療機関や医師により内容に相違があることもあります。
もくじ
まずは検査のための不妊クリニック選び
不妊治療を始めようと思ったら、妊娠のために色々調べたいと思ったら、まず不妊に関する検査から始めます。検査をするためには、不妊治療ができるクリニック選びから始めます。
不妊クリニックで検査を受ける場合、他院で検査を受けたことがある場合でも「血液検査」や「感染症検査」が再度必須になる病院が多いので、出来れば長期的に通うことができる病院を選びましょう。
不妊クリニックの選び方のポイントについては下記記事を参照ください。
不妊に関する検査
クリニックを決めたら、さっそくクリニックを予約し、不妊に関する検査をします。不妊に関する検査には下記のような種類があります。
女性の検査
- 甲状腺機能検査
- 空腹時血糖値測定
- 抗製紙抗体検査
- AMH(抗ミュラー管ホルモン)
- 感染症検査(梅毒・B型肝炎・C型肝炎・HIV)
- 風疹検査
男性の検査
- 精液検査
- 感染症検査
不妊治療を始めることになったら必要な検査
ホルモン値や血糖値、感染症などの検査で問題があった場合、まず専門病院でその治療からスタートします。問題がなかった場合、更に女性は月経周期に合わせて行う検査があります。
月経開始から3~10日目
- ホルモン測定(LH・FSH・プロラクチン)
- 子宮卵管造形(月経終了後)
月経開始から12~15日(排卵期)
- ホルモン測定(エストロゲン)
- 経腟超音波検査
月経開始から20~22日(高温期6~8日目)
- ホルモン測定(プロゲステロン)
不妊治療の3ステップ
様々な検査完了し、具体的に不妊治療を始める場合、次の3ステップになります。
- タイミング療法
- 人工授精
- 体外受精・胚移植などの生殖補助医療(ART)
タイミング療法とは
検査や測定によって、医師が排卵時期を予測し、性交渉の時期を指導するものです。排卵時期を予想するにあたって経腟超音波検査で卵胞を測定したり、血液検査などでホルモン検査します。
人工授精とは
人工授精とは採取した精子を直接子宮腔内に注入して妊娠させる方法で、妊娠の確立をより高めることができます。人工授精の手順としては、タイミング療法と同じ方法で排卵日を予測、必要ならば排卵誘発剤を用います。排卵日に合わせて精液を採取その後、精液を洗浄、濃縮し、元気な精子だけを選んで注入針などで子宮腔内に注入します。
タイミング法をしばらく試したが結果が出ない場合や、女性側に子宮頸管粘液不全などの問題があり、精子が子宮に入れない場合、男性側の精子の状態が良くなかったり、射精障害などの機能障害がある場合などに行われます。また原因が明らかでない不妊症の場合にも試みられます。
生殖補助医療(ART)とは
生殖補助医療(ART)とは体外受精・胚移植(IVF-ET)や顕微授精(ICSI)などの不妊治療のことをいいます。
体外受精とは、採卵手術により排卵前に体内から取り出した複数の卵子と精子の受精を体外でおこなう治療です。体外受精で得られた受精卵を2~5日培養し、可能な限り良好な胚を選んで膣から子宮内に戻します。この一連のプロセスを体外受精・胚移植(IVF-ET)といいます。
体外受精では受精障害がなければ精子と卵子を受精することができますが、妊娠して分娩に至る確率は女性の加齢により低下します。
不妊治療のまとめ
不妊治療の手順としては下記の順番でおこなわれます。
- 不妊に関する検査
- タイミング療法
- 人工授精
- 体外受精・胚移植などの生殖補助医療
「不妊」とは、妊娠を望む健康な男女が避妊をしないで性交をしているのにもかかわらず、一定期間妊娠しないものをいいます。日本産科婦人科学会ではこの一定期間について「1年というのが一般的である」と定義しています。男女ともに加齢により妊娠が起こりにくくなることが知られており、検査や治療を先延ばしにすることで成果が下がるリスクも考えられます。分からない不安と戦うよりは、まず気軽に検査だけでも受けてみてはいかがでしょうか。検査も治療も不安がつきまとうものですが、早く原因が見つかれば、それを補う治療をして妊娠・出産を目指すことができます。