今いる会社でより評価されたい。転職の際に有利になる資格を知りたい。もしいつか出産育児をして今の会社を退職してしまったとしても、再就職しやすくなる資格を取得しておきたい。そんなあなたにキャリアアップするための有利な資格を紹介していきます。
もくじ
終身雇用制度が事実上崩壊した今、自らのスキルを客観的に証明することが出来たり、キャリアアップの可能性を広げるツールとして資格は役立ちます。それぞれの資格の内容や難易度、必要な勉強時間の目安をお伝えします。
まずは社内で推奨されている資格
業種や企業によって必要とされる資格は違います。たとえば銀行員ですと、銀行業務検定試験、証券外務員、生命保険・損害保険取り扱い資格などを入社後すぐに取得させられます。なぜなら日常業務を行うのに必要だったり、昇格する際に必要になったりするからです。必須な資格でなくても特定の資格を取得すると「資格手当」支給されたり、受験費用を補助してくれる会社もあります。勤務後に資格勉強とは、なかなか骨の折れる作業となりますが、この後紹介する資格と違って、今いる会社での評価や昇給に一番直結する勉強ということでコスパは断トツで良い資格勉強となります。また全く知らない分野の勉強よりは、ある程度知識があったり、日常的に使う内容と重複していると記憶にも残りやすいので勉強しやすくなります。会社で取得推奨している資格があれば、できれば20代のうちに資格取得に励むと、その後のキャリアアップに直結していくでしょう。
TOEIC
英語を実務で使わない会社へ転職したい場合、650点以上、実務で使う可能性のある企業へ転職したい場合850点以上のスコアを持っていると歓迎されることが多いです。留学経験などが無い場合、いきなり高得点をとることは難しいですが、複数回試験を受けていくと傾向や対策が分かるため、得点アップしやすくなります。そのため、すぐには転職を考えていない場合でも、いつかは転職をしたいと考えている方ならTOEICの受験をライフワークとして定期的に取り入れてみると良いでしょう。
もしまだ大学生の場合、TOEICの取得に励むことも大切ですが、本当に英会話力をアップさせたいのであれば留学の検討をおすすめします。日本を出ることで視野も広がりますし、何より自由な時間がある時にしか出来ない、貴重な体験は就活にも、その後の人生においても大きな糧となります。
MOS(Microsoft Office Specialist):20時間
もしこれから就活をする場合や、今後事務職へ転職したい場合などに役立つのがこの資格。MOSはMicrosoftオフィス製品の利用スキルを客観的に証明することのできる資格です。どの仕事でも必須スキルとなるExcelとWordがどの程度できるのかを面接官は知りたいところです。MOSを持っているとExcelやWordが実務で最低限使えるとの判断がしやすく、採用に繋がりやすくなります。また実務でも役立つ事が多いので勉強が無駄になることは無いでしょう。真剣に取り組めば2週間で取得できる方も多いので、パソコン系で実務に役立つ資格を取ろうと思ったならMOSがおすすめです。
簿記3級:50時間
もし未経験で経理に転職したい場合や、経理でなくても将来フリーランスとして活動したいと考えているなら、最低限の知識として簿記3級は必須とも言える資格となります。簿記の知識があると会社のお金の動きを明確にでき、経営状況へ理解を深めていくことができます。簿記の試験は頻繁に行われているのと、3級でしたらそこまでハードルが高くないため独学でも取得可能です。必要な勉強時間は3級で50時間、2級で100時間と言われています。独学で簿記3級を取得するコツとしては1冊テキストを買い、完全にその本をやりこむことです。知識が身についているかのチェックは完全無料の勉強サイトなどもあるので、スキマ時間に勉強できます。無料のサイトの中ではStudy Proというサイトが問題演習ができ、使いやすかったです。
FP(ファイナンシャルプランナー):100時間
今いる会社が保険や不動産、金融系の企業だったら、すぐにでも役立つ可能性はありますが、正直それ以外の業種だと業務の中で役立つことはないかもしれません。またファイナンシャルプランナーとして専門的に活動するにしても、そこまで需要が無く、なれたとしても収入アップは見込めません。ただ自身が結婚し、子供を産んだりと家計や生活を支える必要が出てくると、この資格の知識は生活の中でとても役に立ちます。日本人は意外とお金に対しての基礎知識が足りていない中、お金の基本的な仕組みやルールを理解できるようになります。特に日本では申請しないと貰えない給付金等が多いため、勉強したことで自分が対象となっていた給付金の存在を知り、貰うことができたなんて声をよく聞きます。短期的な仕事のためではなく、「家族のお金管理のために生涯活用できる資格」と考えると、とても有意義な資格となります。
ビジネス実務法務検定:50時間
社内でスキルアップをしたい場合、また自分の価値を高められる資格として最近注目されているのがビジネス実務法務検定(ビジ法)です。内容としては、あらゆる業種に通用する法律知識を広く浅く学べます。コンプライアンスとは法令尊守という意味ですが、コンプライアンス違反が大きいニュースとなって報じられることが多い昨今、改めて企業内でもコンプライアンスの重要性が見直されています。その中でビジネスに関する法律に精通する知識があると、特に法務部では仕事の幅が広がります。最近では大企業の法務部でも注目されているので、法務へ興味がある場合、勉強してみるとスキルアップと転職に役立ちます。
国家資格編
国家資格となると難易度は上がりますが、その分信頼度が上がり、キャリアアップには繋がりやすくなります。開業や起業にまで役立つ、キャリアアップとして人気な国家資格を紹介します。
宅地建物取引士:250時間
宅地建物取引士は宅建士とも呼ばれていて、人気な資格のひとつのため割と聞く名前ではないでしょうか。仕事の内容は不動産取引の際に「重要事項の説明」や「重要事項説明書・契約書への記名、押印」です。不動産の仕事をしていたら資格取得すると「資格手当」がつくため、すぐに年収がUPします。もし元々いた業界が不動産でなく、出産や育児で職場を退職し、多少のブランクがあったとしても、宅建士を持っていれば社会復帰がしやすくなります。なぜなら不動産の事業所内で従業員5人に対し1人は宅建士の資格を持っている人員を置かなければならないということが法律で義務付けられているからです。不動産業界全体が人材の出入りが激しく常に宅建士を持っている人材を必要としているため、不動産業の就職や転職において非常に大きな武器となります。受験資格の制限もなく誰でも受験できるので、女性の社会復帰に最適な資格といえます。
ITパスポート:50時間
ITパスポートは国家資格の中では取得が容易のため人気の資格です。ITパスポートはITに関する正しい基礎知識が学べる資格です。正直この資格を取っても、IT業界への転職が有利になるわけではありません。なぜならITエンジニアやIT業界にとってはITパスポートの知識は、知っていて当たり前の基礎知識ばかりだからです。逆に言えばIT業界へ行きたい場合や、ITエンジニアを目指したい方には、必須な内容なので基礎を学びたい方は、まずここから勉強すべきでしょう。現在、IT業界でなくても、全業界でITの知識は必須となりますので、どなたでも勉強して無駄になることはありません。ITパスポートの勉強時間は情報系が未経験の方は100時間程度、経験者の方で20時間程度と人によって必要な勉強時間に差はありますが、ほとんどの方がだいたい独学て取得されています。独学合格者の方々皆さんが重宝する無料サイトとしてはITパスポート試験ドットコムの過去問道場です。分野を絞り、過去問を解くことができます。ITが未経験の方にも分かりやすいテキストとしては、いちばんやさしいITパスポートが人気です。
行政書士:500~800時間
行政書士は行政と国民の間に立って、行政手続きをする法律家です。業務内容としては「行政に対して提出する書類」や、「法律的な権利・義務に関わる書類」、「事実証明に関わる書類」の作成、手続き代行、アドバイスをおこなっています。作成する書類の具体的な内容としては会社設立の手続き、遺言書、飲食店の開業、契約書、外国人の労働ビザなど1万種類以上の申請代行があります。また行政書士の主な仕事は役所での手続きとなるため、顧客とのやり取り以外は役所の受付時間内での業務となります。よって平日夜や週末などはしっかりと休み、子育てと両立をしながら活躍する女性も多いです。また企業の会計記帳、決算、財務諸表の作成など会計業務に携わることができるため、経営やマネジメントのアドバイザーとして活動している方もいます。資格取得後は業務の幅が広いため、自分らしい働き方を見つけやすいかもしれません。こちらも受験制限が無く誰でも受験が可能です。
中小企業診断士:1000時間
「将来経営者になりたい」「経営コンサルタントしての仕事をしたい」と高い志がある方におすすめしたいのが中小企業診断士です。日本経済新聞が発表した「新たに取得したい資格ランキング」で1位となったのがこの資格です。中小企業診断士は国が認めている唯一の経営コンサルタントの資格のため、就職、転職、スキルアップはもちろん独立にも役立ちます。試験範囲は、販売、会計、財務、マーケティング、生産管理など直接実務に活かせる内容なので今いる会社でも知識を役立てることが可能です。しかし合格率は5%程度で必要な勉強時間が最低1000時間と言われているので、受験勉強のハードルは高めとなります。
資格取得でキャリアアップしていきましょう
就職活動も大変ですが、重要なことは入社後どれだけ努力出来るかということです。毎日の業務を行いながら資格勉強に励み、また結果を出すということは、並大抵の努力ではできません。それは社会人であればだれでも実感していることでしょう。だからこそ、資格は自らの努力やスキルを客観的に証明することができ、キャリアアップの可能性を広げるツールとして役立つのです。限られた時間の中ただ日々に追われて過ごすよりも、努力を続けていくことで確実にキャリアアップにつながります。資格取得は努力した分結果につながりやすく、もし資格取得できた場合、「自らのスキルや目標のために時間を惜しまず努力できる」という人物像までも客観的に示してくれます。キャリアアップや自分の人生の選択肢を増やすために資格取得を目指しましょう。